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5月22日 午前1時
明朝の出撃に備えて秀悟らは眠りについていた。
ただ一人、見張りに立候補した三和以外は。
1階 受付
「ザザザ...電波は悪い。手短に話す」
所持していた小型通信機。秀悟らには「壊れて使えない」
そう話していた。
だが、実際はそうではなかった。
「あぁ...明日だ。明日で全て片が付く。例のウイルスの回収。こちらには戦力もある。なに、そんじょそこらの高校生だ。戦いの中で死んでいくだろうよ。捨て駒にはちょうどいい」
三和は淡々と状況を報告した。画面は砂嵐で誰と話しているかまでは分からない。
「一応、任務だからな。極秘中の極秘のな。これも全てこの国のために」
そう呟くと、三和は通信を切断した。
夜空にはいつもは金色に輝いている月が今日は紅く光を放っていた。
「さて、どう働いてもらうかな。俺は確実に生き延びれるが...」
そう言うと、どことなくブーツの中に隠していた緑色の液体を取り出し、蓋を取る。先は針になっていた。そして、それを腕の動脈に刺す。
「君らはウイルスに感染したら終わりだ」
そして、空っぽになったビンを投げ捨てると、何事もなかったかのように見張りを再開した。
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