「目的」

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午前7時 「ん...」 秀悟は朝日で目が覚める。 隣には春菜が寝息をたてていた。 「まったく、平和な顔をしてやがる」 すると、病室の扉が開く。 「お、起きてたか!三和さんが呼んでる。支度ができたら1階へ集まってくれってさ」 慌ただしく弥彦が部屋へ入ってくる。 「あぁ、分かっている」 目をこすりながら靴を履く。 「なぁなぁ、秀悟よ...」 にやにやしながら弥彦が尋ねる。 どうした。そのような表情を見せると弥彦が呟く。 「ヤッたのか?春菜と...」 唐突すぎる質問。 「や、やってる訳ないだろう!」 顔を赤くしながら秀悟が呟く。 「あーやーしーい」 相変わらずニヤニヤする弥彦。 「いや、マジだし。てか春菜起きろよ!」 春菜を揺らし起こす。すると、ゆっくりと目を開ける。 そして、かけていたシーツがめくれる。 「...!?」 その姿に秀悟は驚く。 「ん?おはよ...秀悟...それに、弥彦もいたんだ」 眠たそうに目を擦る春菜の姿は下着姿であったのだ。 「お前、やっぱり春菜と...」 笑いを堪える弥彦。 「違う!!これは俺にも分からなくてな!!」 必死に弁明をする秀悟。 結局、春菜が夜中に寝ぼけて着ていた制服を脱いでいただけであったというオチであった。もちろん、二人は勘違いから春菜の鉄拳を喰らったのは言うまでもない。
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