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午前8時25分
山道
一同は山道を歩いていた。
「場所は突き止めてある。この山道を進んだ先のわき道にある洞窟。その先を抜けると廃炭鉱にカモフラージュした研究施設がある。まずはそこへ向かう」
歩きながら三和が作戦を指示する。
「ついに...」
秀悟は冷静に振舞っていた。しかし、内心では恐怖を覚えていた。
あのような男に勝てるのか。もし、誰かが死んだら。
そんな事ばかり考えていた。
「大丈夫。私がいる」
そんな秀悟の肩を春菜が叩く。
「そうさ、俺らだっている」
弥彦も続けざまに呟く。
「そうだよな...大丈夫。大丈夫ったら大丈夫」
秀悟は「大丈夫」という言葉を何度も心の中で呟く。
すると、藪が音を鳴らす。
「止まれ...何かいる」
三和が全員に止まるように指示する。
「もう、敵の圏内って訳だ」
智也がリボルバーを構える。
「そのようですね...」
最後尾にいた巧がライフルのマガジンをセットする。
「ガサガサ...」
少しずつ、何かが秀悟達に近づいてきていた。
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