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「ガサガサ...」
垣根の森は草木が生い茂り、山道といえども一旦コースを外れてしまえば樹海の如く、迷ってしまう。そのくらい深い森である。
音は聴こえる。しかし、どこからかまでは分からずにいた。
「...来る!!」
三和が叫ぶ。すると、秀悟がいる場所、ちょうど右から巨大な熊が襲ってくる。
その体長は悠に4メートルはあろうかという巨体で、体の所々が腐り、そして傷ついていた。
「マジか...」
不意を突かれて、秀悟は転倒する。
そして、この熊もアヌビスに感染してると悟った。
「秀悟!!」
すかさず、黎子が薙刀で熊を突き刺す。
「ブォォォォォォォ」
熊ゾンビは苦しむ。
前日に薙刀を改造し、切れ味、リーチ共に格段に上がっていた。
その見た目は三国志に登場する猛将・関羽が所持していたとされている青龍刀にも類似するようでもあった。
「やぁぁぁぁ!!」
叫び声を上げ、追い打ちをかける華江。
手に持った薙刀で熊ゾンビの首を突く。
「グブォォォォ」
さらに苦しみ出す熊ゾンビ。
「や、やった...」
昨夜に黎子に即興ではあるが、モップの柄とマチェットで薙刀を作ってもらい、その基本的な立ち回り方も教えてもらっていた。
ただの突きだが、一旦手と足を引いている為、威力は上がっていた。
「華江、よくやった」
黎子が呟く。
しかし、熊ゾンビはそれくらいでは倒れる様子はなく。
「グブァァァァァァァァァァァァ!!」
痛みによる苦しみなのか、怒りによるものなのか。
薙刀と青龍刀が刺さったまま暴れ始めた。
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