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洞窟内
「しっかし、暗いな」
弥彦が呟く。
「ここでは何も出てこなければいいんだがな...」
秀悟が周囲を見渡すが、ゴツゴツとした岩の壁が見えるだけであった。
「見たところ、広くないし大丈夫だと思うけど」
隣で歩いている春菜が呟く。
すると...
「キャ!!」
突然春菜が叫ぶ。
「なんだ!?」
三和がランタンを照らすと春菜が何かにつまずいて転んでいた。
「ちょ...これって」
つまずいた物を見て驚く華江。
「おいおい、なんだよこいつはよ」
弥彦もその物には驚きを隠せなかった。
春菜がつまずいたのは死体だった。傍らには朽ちた棒状の武器があった。しかも、垣根高校の制服を着た。
「...誰なんだろう。制服からして女子だってのは分かるが。」
秀悟が呟く。
「学生手帳とかないだろうか...」
黎子が近づき、あたりを見渡すと右手に手帳を握っていた。
そして、それを取り確認する。
「...奏」
死体の正体は山磯奏という学生だった。
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