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「山磯奏?」
智也が尋ねる。
「あぁ...私の部活の後輩だ。次期キャプテンとして考えていたんだがな...まさか、こんなところで再開するとはな」
制服はボロボロになり、傷も多く、ひどい有様だった。
「もしかして、タケミカツチに捕まって...」
華江が呟く。
「脱走したけど、ここで力尽きたってわけか」
弥彦が呟く。
「だろうな...」
黎子が落胆した表情をする。
「死んだのは最近だ。おそらく1日前くらいだろう」
巧が呟く。
すると、ぴくりと奏の死体が動く。
「離れろ!!」
巧が黎子をどかす。
奏の死体がゆっくりと起き上がる。
「うぅぅぅぅぅぅぅ」
そして、ゆっくりと黎子達に近づいてくる。
「...奏。お前はいい後輩だった。実力があるのに驕らず、常に一番に来て道場の掃除をしていたよね...ホントに」
黎子が呟きながら青龍刀を振りかざし...
「ありがとう」
青龍刀の刃は首を斬り裂き、奏をホントの安らかな死へと導いた。
黎子の顔には一滴の涙が浮かんでいたのだ。
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