「潜入」

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敷地へは簡単に潜入できた。 だが、次の問題があった。 「…わ、鉄製の扉か」 秀悟らの目の前には大きな鉄製の扉が立ちふさがっていた。 「おそらく内部から開ける仕組みだろう。だが、入れないこともない。頼む」 三和がそう言うと美歌が鞄から何かを取り出す。 「これですか?」 鞄からが刃が付いた銃を取り出す。 「そうそう...これを使ってあそこに侵入する。そして、俺が内側から扉を開けよう」 三和が指差した先にはダグトがあった。 そして、手に持った銃のトリガーを引きダグト近くの天井に突き刺す。 「では、警戒を頼む」 そう言うと1人でダグトへと侵入した。 「…なぁ、秀悟」 弥彦が秀悟へ話しかける。 「ん?」 「三和さん。ただの自衛隊の割にはすごいと思わないか」 「え?そうか?自衛隊の人ならこれくらい…」 「網川の言うとおりだ。あれはただの自衛隊員の動きではない。実際、町に演習に来ていた自衛隊は全滅した。訓練を受けているとはいえゾンビに怪物。非現実的なことばかり起きているからだ。だが、あの三和という自衛隊員だけは生き残った。病院でのゾンビに対する戦い方といい、先ほどの熊ゾンビに対する不意打ちといい…並の隊員ではないな。まるで、特殊部隊。それも戦闘に特化した…そんな立ち回りだった」 そう言うと光輝がタバコを取り出し吸い始める。 「それも一理あるかも…」 秀悟が考え始める。 「ま、その戦闘技術で俺たちが助けられたのも事実。しかし、何かしらの目的を秘めているようにも感じる。用心しとくにこしたことない」 光輝が話終えると同時に鉄製の扉がゆっくりと開き始めた。
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