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「さて、俺の予想だとそろそろ出口のはずだが」
三和がそう呟くが、秀悟達には同じ部屋をグルグル回っているようにしか感じなかった。
「…適当に進んでいるようで、そうでもない」
最後尾にいた巧が呟く。
「え、どうして分かるんですか?」
不思議に思った美歌が尋ねる。
「左、右、真ん中。3つの扉があるが、感で進む人ならなんと言うか…徐々にパターン化していって繰り返しになるんだよな。だが、彼が進む道にはパターンがない」
冷静に話す巧。
「えっと、つまりどういうことですか?」
分からないのか、美歌が聞き返す。
「ま、簡単に言えば...まるで一度ここに来たことがあるかのように進んでいるということだ」
「じゃあ、まさか…」
「そう…」
そう言うと、美歌の耳元で呟く。
「んひゃ…」
突然の巧の行動に驚く美歌。
「まるで、俺たちをタケミカツチへと誘っているかのようだ」
三和は何か俺たちに隠している。巧も三和へ疑いの目を向け始めていた。
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