「混沌」

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「新手か!!」 秀悟が木刀を構えるが。 「ま、待て!私だ…」 1人の女性が手を挙げる。 「黎子…無事だったのか」 秀悟が駆けつける。 「あぁ…ヤバイと思って窓から飛び降りた後、道場で武器を調達しようと思ったんだが…奴等が多い上に、素手で1人じゃ太刀打ちできない。途方に暮れていたら、君達が保健室に入るのを見たから…」 「さすがの委員長さんも、ゾンビが相手では手も足も出ないか…」 弥彦がちゃかす。 「合気道の心得があるとはいえ、さすがに集団相手にはキツイ…せめて木刀か薙刀でもあれば…」 ふと、弥彦の木刀に視線をやる。 「ん?網川、お前木刀持ってるじゃないか。どこで調達した?」 「あぁ、これか?これはバスの誰かが修学旅行の土産で買ってきたものを拝借したんだ」 「なるほど…これなら、道場付近の連中を始末できるかもしれない」 黎子が自信ありげに呟く。
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