「混沌」

10/32
前へ
/365ページ
次へ
秀悟らが2階へ向かってる時と同時刻 保健室 「秀悟と黎子…大丈夫かな。いや、大丈夫大丈夫問題ないって」 落ち着きがない秀悟。 すると、ベッドに寝ていた春菜が… 「…んにゃ」 「ん?」 春菜の顔を覗き込む弥彦。 その距離、唇から2センチってとこ。 「…弥彦…?って!!」 そして、目の前に弥彦の唇が迫っており… 「バシッ!!」 「…あう」 弥彦はあまりのビンタの威力に頬を押さえる。 「な、何するのよ!」 般若のような形相で怒る春菜。 「ち、違うって!誤解だ。」 「じゃあ何さ!?」 「実はな…」 今までのことを話す、バスで春菜が気を失ったこと。クラスはあちこちに逃げて行方が知らないこと。嵐川黎子と合流できたこと。そして、秀悟と武器を調達しに体育館へ向かったということを。 「…そうなんだ。さっきは突然ビンタしたりなんかしてゴメンね…ここまで運んで来てもらったのに」 しょんぼりとした顔をする春菜。 「大丈夫だ…それに、礼ならあいつに言えよ」 「…ありがとう。弥彦」 そう言われて少し顔を赤くするが。 「いいってもんだ。さて、俺らも待ってるだけじゃ…つまらないよな」 「つまらないって?」 「この保健室で使えそうなものを片っ端から集めよう。救急キットとかあるだろうしさ」 気合いが入り制服を腕捲りする。 「…そうね。私たちもやることをやんなきゃ。生き残ろう、絶対に」 そして気合いが入った二人は保健室で使えそうなものがないか物色し始めた。  
/365ページ

最初のコメントを投稿しよう!

107人が本棚に入れています
本棚に追加