「混沌」

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午後8時00分 垣根高校 2階 廊下 「こりゃ、ひどいな」 黎子が何かを見て呟く。 「…なんてことだ」 窓ガラスは所々割られ、廊下のあちこちは血まみれになっている。 「そのわりに、さっきから死体やゾンビが少なくないか?」 秀悟が疑問に思っていたこと。それは、高校内にはゾンビや死体が予想よりも少ないということだ。 「それは私も思った。校庭や外はゾロゾロいるのに校内はやけに少ない…不気味なほどに」 黎子が腕組みをしながら話す。 「やっぱ、校門周辺は奴らがたくさん…やれやれだ」 秀悟が外を見てみると校門周辺にはゾンビがゴロゴロいた。 「ま、今は武器を探して生き残りを探すことが懸命だろう」 「そうだな」 二人が体育館側の階段を目指し廊下を歩き、生徒会室の前を通りかかると… 「…!!」 黎子が突然止まる。  「どうした!?」    「生徒会室に人の気配がする」
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