「混沌」

15/32
前へ
/365ページ
次へ
「諸葛…どこかで聞いたことあるような…」 秀悟が考える。 「ハハハハ!秀悟、お前が知らないとはな。華江は学校一の成績を誇る天才さんだよ。全国模試でも毎年ベスト10の入るほどのね」 「そういえば!!」 思い出したような反応をする。 垣根高校には2年生だが学内基礎力テスト毎回トップで全国模試でも毎年ベスト10に入る秀才がいる。と。まさか、こんな女の子が… 「や、やめてくださいよぉ…そんな私、て、天才なんかじゃないです…」 恥ずかしがる華江。 「自信をもてって!!けど、よく生きてた。これで仲間がまた増えたな」 「そうだな…華江?だっけな、怪我とかしてないか?」 「わ、私、事件が起きるまで生徒会室で仕事をしていたんです。で、自衛隊が体育館に集まるようにと、アナウンスしてたから行ったの。けど、生徒会室にスマホを忘れちゃって…自衛隊の人と一緒に来てもらったんだけど…それから、校内でゾンビが発生して…自衛隊の人は最後まで私を生徒会室まで警護して、外で待機してたんだけどね…」 言葉を詰まらす華江。 「その自衛隊員は?ゾンビに襲われたのか?」 黎子が話を促す。 「違うの…私、見ちゃったの…」 華江は怯えた目で二人を見つめ、ゆっくりと息を吸う。
/365ページ

最初のコメントを投稿しよう!

107人が本棚に入れています
本棚に追加