「混沌」

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「二人とも、使えそうなものはあったか?」 秀悟が黎子と華江に尋ねる。 「あぁ、私はこんなとこだ」 黎子は塩酸の瓶と、マグネシウムの粉をテーブルに出す。 「わ、私は…」 着火材とアルコール、新聞紙を出す。 「俺はこんなとこかな」 マッチと、紐、火薬を出す。 「んー…まともに使えそうなのは塩酸くらいか…だが、これだと小分けしても3回分だな」 「あ、あの。マグネシウムの反応を用いて閃光弾でも作ってみてはどうでしょうか?」 控えめに提案する。 「閃光弾?どうやって…」 秀悟が質問する。 「えっと、ここのマグネシウムと着火材を混ぜて…」 唐突に作業を始める華江。 「お、おい」 止めようとする黎子だが。 「天才を信じようぜ」 「…そうだな」 笑いながら見守る。
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