「混沌」

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垣根高校 道場 「…なんとか着いたか」 「さて、武器になりそうなものを片っ端から持っていこう」 3人は道場内の準備室を物色する。 「これは何だ?随分とデカイ木刀みたいだが…」 「あぁ、これは剣道部の素振り用の木刀だ。重いが奴等を倒すには十分すぎるだろうな。丈夫だし…」 「なるほど…ちと、重いけど、なんとか使えそうだ」 秀悟は素振り用の木刀を武器にすることにした。 「ええっと…じゃ私はこれに…」 近くにあった普通の木刀を手に取る。 「で、私の愛用してる…薙刀…あった!」 準備室の一番奥にある、ケースから取り出す。 「す、すげぇ…」 先っぽは木だが、威力、リーチも十分すぎるように見えた。 「稽古で使ってるやつだから威力は控えめだが、他にもこれがあるし十分だな」 木刀をちらつかせる。 「そうだ!その薙刀の後ろにこれを付けてはどうだろうか?」 ポケットからナイフを取り出す。 「なるほど!槍にするってわけだね?」 黎子が納得した口調で話す。 「じゃ、ありがたく使わせてもらうよ」 秀悟からナイフを受けとると薙刀の後ろにナイフを取り付けテーピング用のテープで巻き付ける。 「よし…これで、だいたいの奴らは倒せそうだ」 自信満々に呟いていると… 「ゴゴゴゴゴ…」 地面が揺れ始める。 「なんだ?こういうときに地震か?」 「そ、そんなのタイミング悪すぎますよぉ…」 今にも泣き出しそうな華江。 「大丈夫だ!落ち着け!」 華江を抱き締める黎子。 すると、1分後、地震は収まった。
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