「混沌」

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「ちっ、俺らは何も武器がないや…」 焦る弥彦。 「ちょっと!どうすんのさ!」 春菜も焦る。 「…うむむ」 周囲を見渡す弥彦。 「よし!窓から脱出して秀悟らと合流しよう!」 「正気なの!?だって、グラウンドや体育館方面はゾンビだらけみたいだし…」 春菜が否定するが。 「お前な、ここで籠城して確実に食われるか、それとも、少しでも望みがある方。どっちを取るんだよ!?」 叱り飛ばす弥彦。 「…分かったわよ。その代わり、ちゃんとエスコートしてよね…」 少しデレデレしながら呟く。 「よし!そうと決まれば決行だ!」 弥彦はカバンに積めた物資を持って、窓を開ける。  「ガシャン!!」 ドアをぶち破りゾンビが入ってくる。 「春菜!急げ!!」 春菜が地面に降りた。 「弥彦!はやく!!」 ゾンビは既に弥彦の3メートル手前まで来ていた。 「ぬおりゃ!」 飛び降り地面に着地する。 ゾンビが窓から手を出している。 「お前らはそこのベッドででも寝てろよ」 そう呟くと二人は道場側の方へ走り出した。
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