「対峙」

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「グォォォォォォン!!」 地中から出てきたのはミミズのような牙をもった怪物。まるで全身がゴムのように伸び縮みしている。 「…やはり。自衛隊の人を襲い、ここら辺のゾンビを食い尽くしたのはお前だな…」 秀悟がまとめる。 「…そうか。ミミズならその身体で排気口にも侵入できるし、地中も進める。しかし、これはデカイ…」 さすがの黎子も圧倒されていた。 「グルルル…」 「で、でけぇ…」 驚いて言葉がでない弥彦。 「キ…キャァァァァ!」 思わず叫んでしまう春菜。 すると、巨大ミミズは少しずつ春菜に近づいてくる。 「まずい…」 黎子が駆け出そうとすると。 「パーン!!」 秀悟がためらうことなく銃で巨大ミミズを撃った。 「弥彦…今のうちに春菜を道場の中へ。華江も!」 「分かった…塩酸瓶と閃光弾を置いとくので…いざって時は使ってください。」 そう言うと道場へ入った。 「お、おう…分かった!」  弥彦は腰を抜かしている春菜を背負い、道場へ入った。 「グギョォォオ!」 銃で撃たれた巨大ミミズが怒っているのか、秀悟に突進してきた。 「ちっ、早い!!」 秀悟がギリギリでかわす。 「こいつ…」 黎子が木刀で身体を叩く…が。 「バキッ!!」 勢いよく木刀が真っ二つに折れた。 「…なんて硬さなんだ」 慌てて薙刀を取ろうとするが… 「グギョォォオ!!」 巨大ミミズが黎子に体当たりをする。 「ぐあっ!」 薙刀と共に吹き飛ばされ、地面に叩きつけられてしまう。 「黎子!!くそっ、ヤバイ…何か手はないのか…」 圧倒的な防御力と機動力の前に秀悟は焦り始めていた。
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