「対峙」

8/8
前へ
/365ページ
次へ
「なんだよ、あの態度は…てか何であいつが銃なんて持ってやがるんだよ」 弥彦がグラウンドに唾を吐く。 「さぁな…ま、今はそんなこと気にしても仕方ないよ」 黎子が呟く。 「そうだ。それに今日は遅い。近いとはいえゾンビが襲撃してくるかもしれない。どこかに立てこもるべきだ」 秀悟が提案する。 「け、けど、学校はまだ危険だし…どうしよう」 困った顔をする華江。 「私の家は遠いからなぁ…てか隣町だし」 春菜が呟く。 すると、黎子が一歩前へ出る。 「…よし、私の家に来い。立派とは言えないが安全ではあるだろう。父もいるしな…異論がある者は?」 誰も手を挙げなかった。 「じゃ…黎子よろしく頼む」 みんなが一礼する。 「そんなかしこまるな。友だろ?みんな」 黎子は微笑みながら呟いた。
/365ページ

最初のコメントを投稿しよう!

107人が本棚に入れています
本棚に追加