「安息」

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「ここが、私の家だ…」 門を開けた先には池があり、立派な松の木が植えてある、まさに和風1本の家であった。 「…すごいな」 呆気にとられる秀悟。 「昔の私の家といい勝負」 ぼそりと呟く春菜。 「いい勝負なのかよ!」 思わず突っ込む弥彦。 「春菜の家は大農家なんだ。住んでいる家は引っ越しちゃって隣町にあるけど、昔住んでいたとこは、じいちゃんとばあちゃんが今も住んでるんだっけな?」 秀悟が春菜に尋ねる。 「そうよ」 ドヤ顔で弥彦を見つめる。 「ううう…負けたぁ」 弥彦が嘆いていると 「ガラガラガラ」 池の前の障子が開く。 「何者だ!!昼間の死体共か!!」 日本刀をもった筋骨隆々の和服を着た男が叫ぶ。 「…父さん」 黎子が声の方を振り向く。
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