「安息」

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「黎子…無事だったか。おかえり」 日本刀を鞘にしまい、父が声をかける。 「ただいま…全くどうなってしまってるんだ…」 「俺にも分からない。ただ、公民館で葬儀が行われてからこの有り様だ…ん?後ろの人達は?」 秀悟らに視線を向ける。 「実は…」 今までのことを全て話す。 修学旅行から戻ってきたが、ゾンビに襲われてパニックになり高校へ避難していたこと。そして、ミミズの怪物と戦ったこと。そして、生き残った友人らを連れてきたこと。 「なるほど…黎子…いや、みんなよく生き延びた。大したもてなしはできないが、今日はここでゆっくりしていくといい」 「ありがとう。父さん」 みんなも一礼する。 「黎子の友達だろ。なら拒む理由はないしな。玄関から入ってきてくれ」 そう言うと障子を閉めた。
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