「安息」

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「確認したって…」 秀悟が呟く。 「車で7時くらいに町から出られる道を探してみた。しかし、国道は全て崖崩れで進めない。車はガソリンが切れたから放置してきたし、と、なると山林だけになるが、ここからだと途方もなく時間もかかるだろう。自衛隊の増援が来るまで粘るしかない…」 腕組みをしながら父がうなる。 「…だから、父さん。物置にあるあれを、みんなに分けてほしいんだけど」 黎子が懇願する。 「うむむ…緊急時だしな。それに、戦力は多い方がいい。みんな、ついてこい」 そう言うと、裏庭の方へ向かって歩く。 「黎子、どこへ?」 秀悟が尋ねる。 「武器だよ武器。ホントに父さんや華江の言ってるような事態になったら戦いは避けて通れないしね…」 裏庭へ一同は付いていく。
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