「安息」

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嵐川家 午後10時20分 2階 如月の間 「なぁ、弥彦?」 「んー?」 弥彦は貰ったサーベルを眺めながら素っ気なく返事をする。 「もし、自分の家族が奴等になったら…その時は…」 「…言うな!分かってるよ。もう、やるしかないんだって…」 落ち込みながら弥彦が呟く。 「…そうだよ、な」 少しがっくりした表情を見せる秀悟。 「お前こそ迷ってるみたいじゃんか」 「だって…家族だ。ゾンビだと知ってても…」 「まぁまぁ…まだゾンビと決まったわけじゃねぇし。どうだ?気晴らしに…あれしようぜ!」 弥彦がニヤニヤしながら呟く。 「あれって?」 「…ここの家、さっき黎子さんが…露天風呂。だって言ってたからなぁ…となるとすることと言えば…」 「おまえなぁ…修学旅行でも覗いて先生に怒られてたろ…」 呆れる秀悟。 「まぁまぁ…黎子さんの親父は寝てるし…覗くとしたら今しかないっての…」 「だけど…」 「見たくないの?…春菜の…は・だ・か」 弥彦はどうしても秀悟を連れていきたいらしい。 「…」 少し考える秀悟。 「黎子さんだって中々のナイスバディだぜ?いつ行くの?」 弥彦が例のノリをふる。 「今でしょ!!」 ニコニコしながら秀悟が返す。 「なら、行動あるのみ!」 弥彦は窓を眺めながら、悪巧みを思い付いたようである。
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