「安息」

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「…え?」 柔らかい胸が自分の手の上にある。 「…いいよ。秀悟なら…その…しても」 顔を火照らしながら春菜が見つめる。 「けど…」 秀悟は内心迷っていた。 確かに春菜とは幼馴染みだ。 だからって、そんなことをしてもいい関係なのだろうか… 「だって…秀悟のこと…」 好きだ。そう言おうとすると… 「ありがとう。春菜」 そう呟くと春菜の唇を秀悟が塞ぐ。 「ん…」 突然のことに驚く春菜。 しばしの余韻が響くと、秀悟が唇を離す。 「…これが終わるまで、待ってくれるか?今は、先にここから脱出しないとどうしようもないから」 「うん…それでいいよ…」 春菜は照れ臭そうに呟き。 「じ、じゃあ私先に寝るね!秀悟も早く寝るんだよ?」 「分かってるよ…風邪なんてひかねぇから大丈夫だ」 「くすっ…」 少し笑うと春菜は先にベランダを後にした。
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