「出発」

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5月20日 午前6時 「ガラガラガラッ」 如月の間の扉が勢いよく開く。 「おーーーい!二人とも起きろーー!!」 春菜がバカでかい声で叫ぶ。 「うにゃ…おはよー」 少し眠たそうに秀悟が起きる。 「おはよ♪」 にっこりと微笑む春菜。 が、弥彦は… 「もうダメェ…出ないってデヘヘ…」 どうやらいい夢でも見ているらしい。 「こいつ…」 春菜は弥彦の耳元へ近寄り、大きく息を吸う…そして。 「起きろってんだよ!!アホんだら!!」 あまりの声のでかさに秀悟もビックリしてしまう。 「う、うわぁぁ…お、おはようございませ…」 キョトンとする弥彦。 「二人とも、朝御飯できてるから支度して下へ降りてきなさい」 そう言うと春菜は先に下へ降りた。 「どんな夢を見てたんだお前…」 呆れながら秀悟が尋ねる。 「へへへ…あれはだね…」 ニヤニヤしやがら弥彦が教えようとする。 「いや、わざわざ教えんでいい」 「なんだよ、自分から聞いてきたくせに」 膨れ上がる弥彦であった。
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