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そして、笑いながら私は妹を刺した。
叫び声を上げる母。
私に突進してくる。
包丁を取り上げて高く、高く上げる。
切っ先が私の心臓にスピードをつけて降ってくる。
サクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサク
痛み以上の感覚。肉を貫く刃に私は恐怖を覚えた。
でも、叫ぼうとするけれど。
喉から声はヒューヒューとしか出ない。
壊れたように笑う母。
警察の人は母を取り押さえる。
でも、母は楽しそうだった。
私を刺しながら笑っていた。
「あはは………ははははは………ははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは」
目を閉じると、楽しかったときが。
母が笑ってる。
私も笑ってる。
あぁ、そうか。
そうだったのか。
おかしいな。
懲らしめた……だけなのに。
わたしは……。
わたしは……。
あはは………。
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