78人が本棚に入れています
本棚に追加
「心配してくれてるの?でも大丈夫だよお兄ちゃん。私が直接囮になるわけじゃないし」
架の手には鞄から取り出した人型の紙切れと至って普通のハサミ。ハサミで躊躇なく自らの髪を切り落とし巻きつける。
「この人型に私の髪の毛を巻き付けて、それに私の血で血印を描き、準備は完了です」
「ふむふむ」
テーブルの上に人型を置き、手で複雑な印を結ぶと何かを唱え始めた。
「すると、」「なんという事でしょう」
「おおーっ!」
架と人型の間に閃光が迸り架と瓜二つ、というか架が二人に増えた。
架と唯一違う点は服を着ていないという事だけ。
ーーーーなんで真っ裸なんだよ!?
「えぇー?とは言いながらバッチリ上から下まで舐め回すように見てたじゃん。式神とは言え妹の裸だよー?安くないんだから」
式神と交代する様に意識を失った架をベッドへ寝かせ、困った妹(式神)にさっさと服を着るように促した。
どうやらまた兄にたかる気らしい。
「お主はやはり変態じゃ。うん、間違いない」
気にするな僕。どうせ男なんてみんな変態だ。
「にしても凄いの架。どうなっているのじゃコレは?」
「少しだけど私陰陽術もかじってるからね。コレは擬人式神の一種だよ、私の意識と直接リンクさせた式神だよー」
ふふん、と無い胸を張る架をスカーレットが拍手で讃えた。
最初のコメントを投稿しよう!