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幸い懸念していた事態にはなる事なく7時を過ぎた辺りで佐々木は帰路に。
架と二人で後を尾けていると尋常じゃない程の着信履歴が。音が出ない様にマナーモードにしていた為、気が付かなかった。その場は架に任せ電話に出た。
『シロぉー!酷いではないか!!妾を残して二人で出掛けるとは!』
お前はウサギか。佐々木の家を確認したら直ぐに戻ると伝え電話を切った。
「あ、お兄ちゃん。あそこみたいだよ」
佐々木が入って行った場所。それは普通の住宅ではなく俗に豪邸と称される住宅。
ここで僕はある疑問を抱いた。こんな豪邸に住んでいるという事は親がどこぞの社長か、佐々木自身が何かろくでもない副業でもしているか。
「凄い豪邸…。なのに、ただの会社員ね」
ともあれ。住居は確認したのだし明日佐々木がいない間に忍び込む事にした。架同伴で、だが。
「遅かったではないかー!!妾は寂しかったのだぞー、お腹も空いたー」
「よしよし。ゴメンねー、今ルームサービス頼むから」
架が抱き付いて来たスカーレットをたしなめルームサービスを頼む為に受話器を取る。
「で。明日には決着はつきそうかの?」
流石にフォークやナイフを扱う食事は見事の一言。スパゲティを頬張るスカーレットに明日の段取りを説明してやった。
まず明日、僕と架で佐々木の家に忍び込み被害者の手掛かりがないか探した後、帰宅中の佐々木をなるべけならひと気がない場所で強襲する。
「そうか。上手くいけばよいがの」
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