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「行ったね。行こう、お兄ちゃん」
佐々木が出社したのを確認し、豪邸に架と忍び込む。
一階にある縁側の窓に持参した小型バーナーで錠周りを手際良く炙り、ドライバーで軽く突く。
すると音をほとんど立てずに容易く窓を開ける事に成功した。
「なんかお兄ちゃん慣れてない?まさか泥棒?下着ドロとかしてないよね?」
ーーーー架。兄を一体どんな目で見てるんだ。
全く、ただネットで得た知識だというのに。
リビングであろう部屋に侵入した僕達を待っていた光景は想像を超えていた。
「うえぇーー…。きも…」
至る所に卑猥なポスターやらDVDが散乱しているのだ。架の反応は正常なもの。
それにしてもまさか妹と一緒にこんな部屋で二人きりは正直辛い。と僕は佐々木を呪った。
「なんなのコレ。無理矢理系ばっかじゃん。気持ち悪過ぎ」
DVDのパッケージを凝視している架を残して僕は他の部屋を探す事にした。しかし、広大な家の中を隅々まで探してみたものの犯行の証拠、被害者の手掛かりなど何もなく架の元へ戻る事に。
「何か見つかった?」
妹よ、まずその手に持っている赤い蝋燭と鞭を捨てなさい。
確かに一階にも二階にも何も無かった。但し証拠となるようなものは、だ。
架に一階のウォークインクローゼットの中に地下室への隠し扉を見つけた事を告げた。
架を連れ鍵の掛かっていた隠し扉を強引に破壊して下へ降りると中は薄暗く照明のスイッチを探し当てるのに苦戦を強いられた。
やっと探し当てたスイッチを入れた時、妹を連れて来た事を後悔する事になろうとは思わなかった。
「ひっ…!?いやあぁぁぁっ!!」
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