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吸血鬼化しスカーレットが家に居着いて、母親と殺し合ってから早一ヶ月。
佐々木の一件以降朔弥さんの計らいにより僕は普通の高校生活を送る事が出来ていた。
その間に起きた変化と言えばスカーレットの吸血鬼としての弱体化に伴う朝型化ぐらいのものだ。どうやら僕の血を吸う事による弊害が起きているらしいがこの分だと人間に戻るのも時間の問題だと思われる。
スカーレット曰くこの症状により弱点の一部だった日光に対する耐性が上がったらしい。
因みに僕の吸血鬼としての力は変化はなく、強くも弱くもなってはいない。
「本当に架ちゃんも杭ちゃんも凄いんですよ銀?魔術師としては10年に一人に逸材だって父もベタ褒めしてましたし」
因みにだが棺も魔術師としての鍛錬というか修行を開始したらしい。なんでも元々魔術の才覚はあったらしくスカーレットの件が解決した事がきっかけらしいのだが、棺の目的は自衛とかではなく僕を守る事が出来るようになりたいからだとか。
普通は逆なのだろうが生憎僕には魔術や魔力を認知する事は出来ないし、棺の好意が素直に嬉しかったのでそれを聞いた時はありがとうとだけ返した。
「そう言えば架ちゃんの彼氏は見つかりました?」
ーーーーああ、その件か。
杭に問いただしてみたが架が特定の男子と交遊があるという話は聞いた事がないらしく初耳だと言う事だった。架の携帯を盗み見し確認したが確かに男の影はなく頭を傾げていると架にバレ、半殺しにされた。
「全く、妹が可愛いからってそんな事してたら嫌われちゃいますよぅ?」
結局架の初キスを奪った野郎の特定は出来なかった訳だがその件に関しては僕は捜査は継続する意向を固めた。
「気を付けて帰って下さいね銀」
手を振る棺に軽く手を上げて応え僕は家に向かって歩く。
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