僕の姿

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 僕が生まれた時は雷雨の激しい夜だった。僕の背中には大きな痣があった。星の形をしたような刻印の感じの痣が。親は僕を『忌の子』として僕を監禁した。 僕の背中にあった刻印は昔のある人の痣によく似ていた。 「昔ー昔。  ある国に背中に大きな痣を持った少年がいました。  その少年は世界から追放され殺されてしまいました。  その少年の魂は転生しながら少年と同じ運命を持ち  そして、その国を滅ぼす。」  僕の痣はその少年のモノ。つまり僕はその少年の生まれ変わりと言う事。 つまり、世界を壊す。その事に恐怖を抱いている人間はその生まれ変わりを監禁する。 「だから、僕はここにずっといるのか」  塔に監禁された僕。出ようにもここは古びた塔でしかも窓から地上を見下ろすと相当の高さがある。 「僕に力があったらここなんて簡単に出れるのかな?」  監禁され丸八年。週に一回メイド服を着た者が食料や衣類を持ってくる。 でも、いい加減出たかった。一回でいいから窓からではなく全身で世界を見てみたかった。 「出たいよ」  そう思っていたらなぜか月が赤くなったような気がした。 『本当に出たい?』 「あなたは誰?」 『答えて。出たい?』 「出たいよ!!そりゃ出たい!!」 『いいよ。君の力を解き放ってあげる。』 「え?」  その瞬間、僕の体は急に熱くなった。 その後、体中に痛みが走った。 「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」  痛い。体中から何かが浮き出てくるような感覚に襲われた。 僕はいったいどうなるんだろう。僕の力って一体何だろう。 僕は苦しみながら、この後について少し考えていた。
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