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それ以降、俺は荒れるようになった。悔しさのせいだろうか?他の人をうまく説得できない俺は荒れることで周りの評価をさげようとしている。そうすれば誰も俺を相手しなくなるだろう。
「星、授業終わったら屋上に来てくれ」
それでも鈴木は諦めなかった。毎日のように彼は俺を陸上部に入れようとした。
「うるせぇよ。もうやめたんだよ!」
この頃にはすっかり俺も悪に染まっていて、そして彼の変化には俺は気づけなかった。
何ヶ月も誘われ続けたが、そのたびに断った。
「これが最後だ・・・来てくれ。」
鈴木は今まで以上に真剣な眼で俺を見ていた。それでも俺は行かなかった。
ピーポーピーポー
不吉な音が鳴り響いた。救急車だ。昨日の今日だったこともあり鈴木に何かあったのではないかと思った。
今思えばこれは予知能力のせいだったのかもしれない。
そして俺の悪い予感が当たっていた。彼は死んだ。実感がわかない。4月1日ならエイプリルフールだと思うだろう。天気がこんなにもいいのに、俺の中は曇っている、まただ。もう後悔したくなかったのに・・・。
視界がぼやけてくる。俺は自分の気持ちに嘘をついた。部活動をしたくて仕方がなかったのに。鈴木にいつも来るように言われるのも嬉しかった。
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