第1話

こうなることは予期していた｡

鈴木が死んでから一週間。
俺はあることを思い出した、彼がいなくなる数日前に手紙を渡されていたんだ。あれはどこに置いただろうか？いや、そう言えばゴミ箱に捨てていたのを思い出した。
ゴミ箱の中身は昨日ごみ収集の日の為、回収されもう見つけることはできないだろう。そんなことはわかっていたが、俺は走っていた。
何をしていいのかわからずひたすら走った。息が切れる。

「苦しい。辛い。どうしてだよ。」
俺は必死に駆け抜けた。精神的にも、肉体的にも限界が近づいていた。するとそこは学校の屋上だった。いつも鈴木に誘われていた場所だった。俺は鈴木を無視していた。彼はどんな気持ちで俺を待っていたのだろう。ここから見える風景は、綺麗だった。
俺は一歩ずつフェンスに近づいていく。体が掃除機に吸い込まれるように歩を進める。
フェンスに手が触れた。すると奇妙な現象が起こった。これは能力によるものだと冷静に処理している自分がいる。
俺は目を閉じた。すると・・・