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俺は部活動に入るか入らないかで迷っていた。いつも怠惰な俺には朝練や午後練は辛い。ただ部活動に入らないとめっさ仲のいい友達ができないのではないかと危惧している。実際、中学のときは本当に仲のいい友達がいなかったような。更に言えば何もしてないと女子からモテないような。ちなみに顔がカッコ悪いからモテないとかではないぞ!!まじで。ってかそうじゃなかったら泣くわ。
ただ部活動に入って、真の親友や彼女ができなければ俺は・・・。そんなことを毎日考えていたら部活動に入ってないのは俺と、あと、えーと。あれもしかして?俺だけか?と思っていると
「星、部活動入ってないのおまえだけだぞ!!」
と先生が言っている。いや待て、俺も入ってないぞ。影薄いって便利だなぁーと絹傘(キヌガサ)は思う。そんなことを思っていると
「俺以外に絹傘がいるじゃないすか?」星は先生の話を言下に否定した。
星は俺のことを覚えていた。結構嬉しいぜ!普通かもしれないが嬉しかった。俺は決めた!ホッピーと同じ部活に入る!
「そう言えばそうだったな。すまない。ただな、星は・・・。」
何故か先生が小声になっていく。どうしてだろうと思って見ていると、隣の席の颯斗が俺に話しかけてきた。
「なぁ、絹傘。お前知ってるか?星が何してたか。」
颯斗は星について何か知ってる口調ではなしている。
「何のことだ?俺はなにも知らない。」
本当に何も知らない俺は素直に答えた。
「そうか。僕が何の部活に入ってるかは知っているかい?」
颯斗は絹傘とは関係のない話をし始めた。
「たしかエロ本大好き同好会だっけ?」
俺は渾身のボケをかましたが、颯斗にウケることはなかった。そして冷静に颯斗は、
「部活だぜ?同好会は部活じゃないよ。」といってくる。
そして
「まぁ話すと僕は陸上やってるんだ。それでさ、星は中学のとき短距離で全国で優勝してるんだよ。しかも2年のとき。クラス担任は陸上部の顧問だから星のこと知ってたんだろな。」
ペラペラとまぁーよく話す奴だなと思った。
「星、いつでも陸上部に来なさい。私はいつでも君のことを待っている。」
先生は優しく星に話しかける。それに対して星は、
「高橋先生、俺はもう陸上はしてません。中3の時に辞めました、俺はもうやらないって決めてるんです。」
その眼差しは今までの星とは明らかに違うものだった。
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