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この日は朝から放課後までずっとりさこの事を考えていた。
「……であるから、この数式は……。」
俺は授業中、先生の話なんか頭に入って来なかった。
りさこの事を考えていた。
「……」
窓から見える青空に浮かぶ真っ白な雲を見ていると、なんだかりさこの服装の事が思い出せそうになった。
「高岡!!何処を見ている?」
「す……すいません。」
窓から雲を見ていたのが数字の大河内先生にばれて、俺は注意されたので謝った。
「たかおか~、徳永のこと考えてたんか~?」
「まあさ!あいちてるよとか?」
「それは、良いね!」
注意された俺を見て、同級生の竹内と並木と難波が朝の掲示板の事を茶化してきた。
「……」
俺は何も言えなかった。
そんな俺を見た須賀屋が立ち上がり
「そこの三バカトリオ~。そんなんじゃ~女の子にモテないぞ~!」
っと、俺を茶化してきた3人に言い返してくれた。
「はいはい、わかりましたよー。」
「お前もそんなんじゃ~男にモテないからなー!」
「あっ!須賀屋は女じゃなかったか(笑)」
ハハハ
3人は負けじと須賀屋に言い返した。
「おい!それくらいにしておけ!!」
大河内先生は須賀屋と3人の話に割って入った。
「だって、せん……。」
竹内が先生に何か言おうとした時
「竹内、並木、難波、お前らは後で、生徒指導室に来い!!わかったな?」
っと凄い怒った顔をして言った。
「はぁー?なんで……」
もごもご
「わかりました!」
竹内の隣の席にいた並木は竹内の口を手で塞いで先生に返事した。
数学の大河内先生は柔道部の顧問で生徒指導室の室長だった。
以前、並木は大河内先生に生徒指導室に連れていかれて、こっぴどく叱られたらしい。だから、大河内先生の怖さを知っていたので、竹内の口を塞いだと思った。
「須賀屋!座りなさい!!」
「はい!」
「……では、……。」
大河内先生は須賀屋を座らすと、授業の続きを始めた。
(ありがとうございます……)
昼休み。
弁当を食べて、俺はふと朝掲示板でとくちゃんの言ったことが気になっていた。
(とくちゃん、なんで初デートって言ったんだ?まさか…俺のことを……)
俺はこのモヤモヤした気持ちを青江さんに聞いて欲しかった。
放課後、俺は急いで帰る準備をして俺は喫茶店『愛』に向かった。
今日は月曜日。
俺は店に着くと、腕時計を見た。
午後4時30分だった。
俺は店の明かりが窓から見えたので、店が開いてると思った。
俺は青江さんと会えるのを期待しながら喫茶店に入った。
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