愛の悪戯

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(とくちゃんはゲーセンが好きだな。……でも、なんで俺だけに言うんだ?みんなと行けばもっと楽しいのに……。) この日の学校の帰り、俺はとくちゃんがなんで俺だけをゲーセンに誘うか考えていた。 りさこの事も考えていたけど、現状待つしかないから何も出来なかった。そんな自分にイライラしていた。 次の日の水曜日。 放課後、俺は教室でとくちゃんとゲーセンに行くかどうか悩んでいた。 (……どうしようかな。) 「たかっち!」 とくちゃんが教室に入って来た。 「どうしたの?」 「さっき聞いたんだけど、新聞部の西村くんと沢口くん、すごい情報が入ったとかで、今学校にいないらしいよ!」 「えっ!」 「だから、今日まあとゲーセン行けるよね?」 俺は行くかどうか考えた。 (新聞部の二人がいないなら大丈夫かー……。) ちらっ 俺はとくちゃんを見た。 とくちゃんは俺とゲーセンに行きたそうな顔をしていた。 「よし!ゲーセンに行こう!」 俺はとくちゃんが行きたそうにしてたし、新聞部もいないから大丈夫だと思った。 「やった!早く行こう!」 「わかった。」 俺ととくちゃんは学校の校門に向かった。 学校の校門についた時、俺はとくちゃんが自転車を学校の駐輪場に取りに行かない事に気付いた。 「あれ?とくちゃん、自転車は?」 「今日は自転車じゃない。タイヤパンクしたの……。」 「そうなんだ!」 俺ととくちゃんはゲーセンに歩いて向かった。 「今日はなんのゲームしようかな♪」 「俺、胸騒ぎスカージェットしたいかなー。」 「そうなの?あれはちょっと難しいよ!たかっちに出来るかな?」 俺ととくちゃんはゲーセンに向かいながら、今日、ゲームを何するか話していた。 「あとはまあはね……。」 「あっ……そうなんだ。ハハハ……。」 (今日はやけにとくちゃん近いなー。) 俺はとくちゃんとの話す距離を気にしていた。まるで俺ととくちゃんがカップルのような感じで俺との距離が近かった。前ではそんな事は思わなかった。 「と……とくちゃん。ちょっと、くっつきすぎじゃない?」 「そうかな?まあは普通だよ。」 今日のとくちゃんはおかしかった。 俺の左腕にピタッとくっついて来た。 左腕の袖はとくちゃんが掴んで離さなかった。 「……まあとひろくんの初デート……ふふ♪」 「なんか言った?」 「なんにも言ってないよ~♪」 とくちゃんは楽しそうだった。 数十分後、ゲーセンに着いた。 とくちゃんはゲーセンに着くと、入口近くにあるUFOキャッチャーゾーンを走り抜け、ゲームゾーンに向かって行った。 「たかっち!早く!!」 「わかったよ!」 俺はとくちゃんを追いかけた。 とくちゃんはゲームゾーンに着くと、さっき歩きながら、話していたゲームを探していた。 「あった!まあ、あれがしたい!一緒にしよう!」 「協力プレイゲーム……ハピネスハザード~幸福歓迎~。面白そうだね、やろう!」 俺ととくちゃんはこのゲームをした。 ハピネスハザード~幸福歓迎~ゲームはゲーム台の両脇に銃が備え付けてあり、それを使って、立ちながら、ちょっと奥にある画面に現れるハピネスハザードを2人協力して倒すゲームだ。 「あー。まあやられちゃった。」 「たかっち!うまい!!」 「たかっち!頑張れ!」 …… 「よし!いける!」 ズガガーン 「やった!」 「ラスボス倒した!」 ピーヒャラララン 俺ととくちゃんは協力してクリアした。 クリアしたので、軽快な音楽がゲームから流れていた。 「次はなにしようかな?」 …… …… ハピネスハザード~幸福歓迎~、青春期バスガイド、ああ~夜が明ける前になどなど。 今日のとくちゃんは協力プレイゲームばかりしていた。 いつもはこんなに協力プレイゲームはしなかった。俺はとくちゃんが一緒に協力プレイゲームをしたかったんだと思った。
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