愛の悪戯

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「ふう……ちょっと、休憩しようか?」 「うん。」 俺ととくちゃんはゲームゾーンとUFOキャッチャーゾーンの間にある長椅子に座り休憩をしていた。 「自販機で飲み物買ってくるけど、なにがいい?」 「ほ……ほっとミルク!!」 「ホットミルク!?コーヒーじゃないの?」 「うん!!もう……砂糖少なめ、ミルク多めのコーヒーはいらない。」 「そっか!じゃ、ホットミルク買ってくるよ。」 俺はホットミルクをゲーセン内にある自販機まで買いに行った。けど、ホットミルクは売ってなかった。代わりにホットのミルクセーキがあったのでそれを2つ買った。 「とくちゃん、はい。ホットのミルクセーキ!!」 俺はホットミルクセーキをとくちゃんに渡した。 「!?……ほっとミルクは?」 「ホットミルク売ってなかったんだ。代わりにホットミルクセーキが売ってたから買って来たんだ!」 「たかっちは?」 「俺?俺もとくちゃんと同じホットミルクセーキだよ!」 俺はとくちゃんに同じホットミルクセーキを見せた。 「よかった!!」 とくちゃんはとても嬉しそうな顔をしていた。俺は何でとくちゃんが嬉しそうな顔をしたかわからなかった。 「よかった?」 「あっ……な…なんでもない!」 とくちゃんは慌てて下を向いた。頬っぺたがほんのり赤くなったような気がした。 その後、俺ととくちゃんは何気ない話をしてゲーセンを出た。 ゲーセンの外を出ると真っ暗だった。 俺は暗いので駅までとくちゃんを送る事にした。 駅に着くまでの間、とくちゃんは俺に寄り添って来た。 「とくちゃん!!ち……近いよ!」 「そう?普通だよ!!」 とくちゃんは明らかにおかしかった。 俺の左腕に俺の彼女かのように腕を組んできた。 「と……とくちゃん!これはちょっと……。」 「どうしたの?まあは大丈夫だよ。」 俺は腕を振り払いたかったけど、振り払うと、とくちゃんが悲しむと思い、振り払わなかった。 「も……もしかしたら、新聞部の2人が見てるかもしれないから、腕組むのやめてほしいなー。」 俺は優しくとくちゃんに腕を組むのは止めてと伝えた。 「こんなに暗いと、西村くんと沢口くんは来ないと思うよ♪」 とくちゃんは腕を組むのを止めなかった。 そして、駅に着いた。 駅に着くと、ようやくとくちゃんは腕を組むのを止めた。 「たかっち!今日はありがとう。楽しかった!!」 「よかった!また、行こうね!」 「うん。」 「……」 「……」 「……あの…たかっち?」 とくちゃんは下を向きながら言った。なんだか恥ずかしそうだった。 「どうした?」 「た…たか…たかっちのこと、ひ…ひろくんってよ…呼んでいい?」 「いいけど……。」 「やった!」 とくちゃんはとても喜んでいた。 「でも、なんで?」 「そ……それは言いたくない。」 とくちゃんは俺のことをひろくんと呼ぶ理由を教えてくれなかった。 「まぁいいよ!!言いたくなかったら。じゃ~また明日!」 俺はとくちゃんに手を振って帰ろうとした。 「あ……」 とくちゃんが最後、何か言いたそうだったが、今日のとくちゃんはおかしかったので、気付かない振りをして帰った。
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