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次の週の月曜日。
俺はいつも通りの時間に家を出た。
少し歩いていると、須賀屋が通学路の途中で立っていた。須賀屋が立っていたのは、いつも会っていた電柱よりも遥か手前だった。
きょろきょろ
須賀屋は誰かを探している様子だった。
俺は須賀屋の所へ行こうとした時、須賀屋が俺に気づいた。
「たかっち!こっち!!こっち!!早くぅ~。」
須賀屋は手招きをして俺を呼んだ。
(なんだよ……。)
俺は手招きをする須賀屋の所まで行った。
「なに?」
「こっち来てん!」
「えっ!?」
須賀屋はいきなり、俺の腕を掴んで、民家と民家の間の人が1人しか入れそうにない狭い道に入った。
「す…須賀屋?何処に行くんだ?」
その後、俺は須賀屋に腕を掴まれながら?右に行ったり、真っ直ぐ行ったりした。
もう、道順なんて覚えていれなかった。
それくらい、須賀屋は民家と民家の狭い道を素早く掻き分けていた。
「ここまで、くれば大丈夫だよん!」
須賀屋は掴んでいた俺の腕を離した。
「いったい何だよ!!」
俺はいきなり須賀屋に腕を掴まれ、知らない場所まで連れて来られて分けが解らなかった。
「ごめんよん。たかっち!大切な話があるのん?」
「え?りさこの事か?」
俺は大切な話と聞いて、りさこの事だと思い、りさこに何かあったと思った。
「そう!りさが吹奏楽部の小林くんと会ってたらしいのん!!」
「こ……小林と!?」
俺は須賀屋の話しを聞いて驚いた。
小林こと小林政男は2年前の中央高校No.1イケメンコンテストでNo.1に選ばれたイケメンだ。小林は、俺がりさこと付き合って1週間後の月曜日にりさこに告白して振られている。
「須賀屋!本当の話か?」
「本当かわからない。あたしも、友達から聞いたし……。」
「俺、りさこに直接聞いてくる!」
俺はりさこが小林と会っていた事が気になり、りさこの家に行こうとした。
この時、りさこが小林の事を好きになってしまったかもしれないと思った。
俺は真意を確かめたかった。
「待って!前にりさが小林くんのことあんまり好きじゃないって言ってた。もしかしたら、小林くんがりさに会いに行ったとか……。」
「なんで、そう思うんだ?」
「それはわからないよん!」
「………」
「と…とりあえず、学校へ行こう。あたしも友達にもう1回聞いてみるし。」
「そう…だな。っでなんでこんな所に連れて来たんだ?」
「2人で話したかったから!!それに、今、とくちゃん何か変だしねん!!」
「そっか!」
俺と須賀屋は話が終わると、静にそそくさと、学校へ行った。
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