愛の悪戯

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「ひ…ひろくん……ま…まあとのは…は… 初デートのこと……載ってるよ……。」 とくちゃんは恥ずかしそうに小さな声で俺に言ってきた。けど、俺には聞こえなかった。 「えっ!どうしたの?」 「……」 とくちゃんは何も言わず、恥ずかしそうに俺ととくちゃんの事が書かれてる記事を指差した。 「?とくちゃんどうしたのん?」 須賀屋はとくちゃんが指差した記事の内容を読んだ。 「……たかっち!とくちゃんとゲーセン行ったのん?」 「あー、行った。とくちゃんが行きたいって言ってたから……。」 「あ~行ったんだぁ~!!でも、これに書かれていることは嘘だよねん?」 俺に質問してきた須賀屋の目は俺ととくちゃんの関係を疑っていない真っ直ぐな目をしていたように思った。 須賀屋は俺の事を本当に信じてくれてると思った。 「まぁ……嘘だよ。」 「だよね~!とくちゃんのことも嘘だよね?」 須賀屋は記事の内容をじーっと見ているとくちゃんを見て言った。 「……嘘じゃないよ……」 「えっ?よく聞こえないよん?」 「嘘じゃないもん!!本当だよ!ひろくんとまあは初デートしたもん!!」 とくちゃんは大きな声で須賀屋に言った。 そして、教室の方へ走って行った。 「たかっち~!とくちゃんとなにかあった?」 須賀屋はゆっくりと俺の方を見た。 「べ…別に、特にないよ。」 「まぁ~いいよん!たぶん、とくちゃんの勘違いだと思うし~。あとで、とくちゃんに聞くし~。」 須賀屋は俺ととくちゃんの間に何かあったと思った様子だったけど、その原因は俺じゃなくとくちゃんにあるとふんだような言い方に俺は聞こえた。 「そうか。俺はなにも……。」 「言わなくても、わかってるよん!たかっち!」 「……ありがとう。」 俺は須賀屋が俺の事を信じてくれてると思うと、自然とお礼の言葉が出た。 「さぁて~、これ以上、たかっちと2人でいたら、怪しまれるかもしれないから先に行くねん!」 そう言うと、須賀屋は教室の方へ走って行った。
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