secondstory プロローグ

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[secondstory] vol.7 前編 メンバー探しは難航していた 前にも書いた通りそんなすぐ見つかるとは思っていなかったが正直焦っていた それはTwitterを始めてからファンのみんなとの距離が近くなりみんなの姿が頭をよぎるようになっていた 自分は普段全くと言っていいほど自分からは連絡しないタイプ 仕事の相談も人にはしないで自分の中で考えて自分で処理する 今までの自分はこういったタイプだった でもこの時は違った 前までの自分のタイプなんてものを振り切っていた 信頼のおける人に連絡をとり、回りに楽器をやってる人がいるなら紹介して欲しいと血まなこになって探し回った 何十人と会ったがその中で気になったのが二人いた 一人はギターリスト いつもおれに何かあるとすぐ連絡をくれる先輩がいる 全く音楽とは違う世界で戦ってる人だがいろんな人生経験をよく話してくれて いろんな分野での考え方が出来るようになったのもこの人のおかげな気がする その人の知り合いで あのロックバンドB'zと一緒に戦ってきた人がいて、その息子さんが今現在音楽学校を卒業したとこだから よりくんのバンドにいーんじゃない? と話しを持ちかけてくれた 初めてその子と会った印象は礼儀正しく、けど物静かで内気な子だなと思った でも音楽の話しになると目を輝かせてて無邪気な子供みたいな顔をしていた 夢がしっかりしていた 「音楽で食べていく」 ただ彼はいつも一人で戦っていた 親父さんの話しを聞いてみると親が進めた音楽学校を辞め、自分で探した音楽学校に通っていたと言う 少しまだ反抗期みたいなところはある、歳は立派な青年だがまだあどけなさや未熟さも感じる けどその心意気はROCKだと思った ただ一人で殻に閉じこもる癖がある そう話していたからあまり大きな期待はしていなかった ステージに立ってファンに曲、情熱、感動を与えるのがおれらの仕事 自分をさらけ出してありのままを見せない限りリスナーには何も伝わらない 楽器の腕ももちろんあるがそこが一番大事なところだったりする おれも人生をかけての決断だからこそメンバー選びには慎重になっていたし、彼には荷が重い気がした その日は スタジオに入ってギター聞いてみたい と言って彼とはそこで解散した
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