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ごほんっ 太陽が咳払いを一つ、そして大きな深呼吸を2回してから俺をまっすぐと見つめて 「泣かせたら即クビにするからな。覚悟しとけ」 それだけ言うと逆さになっていた本を元に戻して再び読書を始めた。 「・・・泣かすわけないじゃん。これからもずっと守るよ。」 俺は小さな窓から外を眺めながら彼女のことを考える。 『春休み、私が会いに行くから・・・だから、浮気するなよ!』 顔を赤くして恥ずかしそうに俺の腕の中でそう言った彼女。 「浮気なんかしないもんね」 勝手に緩む口元を誰かに見られそうでそっと隠しながらも彼女で頭がいっぱいになる。 こんなんで3年も頑張れるのかな、俺。 でもね、頑張る。 カバンにこっそり入っていたメッセージカード。 紡のちょっとまるっこい文字が並んでいて、それを叶えてあげるためにも頑張るよ。
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