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エピローグ
その後、無事花見も終わり、後片づけまで終了した。
他の新人の多くは二次会に繰り出したけど、昼から場所取りの私達は疲れたからと帰宅組みに合流し、地下鉄組みとも別れ、兄ちゃんと二人きりでJRの改札を通った。
わたしにはどうしても気になる事があった。
「ねえ、お兄ちゃん。
最後のお姉ちゃんの書き込み、なんてかいてあったんですか。」
「先月の?
そう言えばなんか意味がわからない事が書いてあったような気がする。
ちょっとまって。
あ、これこれ。」
====3月5日
お兄ちゃん。今までありがとう。桃の花が終わってもお兄ちゃんには次の花があるからね。
あとはお兄ちゃん次第だから。
応援してるよ。モモ
====
「変だろ、これ。」
「そう、そうね。
でも、わかった。
お兄ちゃんはやっぱりお兄ちゃんだったんだ。」
「えー、なにそれ。」
「なんでもない。
わたし、お兄ちゃんのこと信じてるから。これからもよろしくね。」
「えー、どうしたの?
ワケわかんないよ。」
「な・い・しょ。」
「ちぇっ」
ひと月前のその日、お姉ちゃんは事故で亡くなった。
その書き込みが事故にあった時間より前か後かは判らないけど、わたしにもメールが届いていた。
====
咲良、あたしの事を思ってくれるのは嬉しいけど、ふさぎこんでばかりじゃダメだからね。
咲良には前を向いて頑張って欲しい。
あまりお姉ちゃんらしい事してあげられなかったけど、いえ、あなたにはもうお姉ちゃんは必要ないくらい頼りになるお兄ちゃんが現れるから。
だから、その人を信じて幸せになってね。
桃香。
====
end.
shortarrow in snow
雪中翔太郎
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