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「ちょっと・・・、冷やかしなら長居するの止めよう。」 カジュアルな装いに、明らかに若い見た目。 ブディックの中で商品を物色していても、店員に相手にされない事は明らかだった。 居心地の悪さに痺れを切らし、ショーケースの中にある高価な財布を物色するサチに声を掛ける。 「第一、こんな高いものを買うお金なんて持ち合わせていないでしょ?」 店員に聞こえないようそう耳打ちし、ブディックの出口に向かってサチの手を引く。 サチは私の行動に不服そうな表情を浮かべ、ブディックを出た後、反論するかのようにこう私に告げた。
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