始まりの召喚

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楽詩は嫌な出来事やムシャクシャした時にリスカすると、モヤモヤしている意識がスッキリするので止める事が出来なかった 手首から流れるヌルい血と痛みで、チープにも自分が生きている実感を得られたのだ 楽詩「……。 はぁ…。 今日は止めとくか…。」 楽詩はカミソリを元の位置に戻すとシャワーを止めて浴室から出た タオルで体をシッカリと拭いて、パンツ一丁で居間へと戻り、テレビを着けて夕食を摂る クダラナイお笑い番組を冷めた目で眺めつつ、乾いた笑みを顔に貼り付けて自身の孤独を紛らわせる やがて食事を終えて、見たい音楽番組も終わるとスマホをチェックして大した情報が無いことを確認するとゴロンと床に横になった ボゥ~…とテレビを眺めながら、ふと何気無く机の上に置いていた古臭い本に目が止まる… 楽詩「何で借りたんだろ…? こんなの読みもしないクセに…。」 腕を伸ばしてその本を手に取ると、楽詩は繁々と表紙を眺めてみた 薄汚れた本からは古書などから漂う独特な匂いを放っている
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