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その小柄な少女は一言も喋らず、虚ろな瞳でただ楽詩を見詰めてくる
??「………。」
楽詩は本が紛れもない本物の魔導書だった事に驚き、困惑の表情で本と少女を交互に見ていた
楽詩「ハッ…!
まさか夢でも見てンのかよ、俺は…?」
それから1つ息を吐いて気分を落ち着かせると、楽詩は暫しの間、全裸の少女を値踏みでもするかのようにジックリと観察し始めた
少女の歳は自分より1つか2つ下のように見える…
髪は手入れもされていないようでボサボサ…
肌は薄汚れている…
身体つきも、やや貧相で痩せ過ぎ…
何より、少女の身体からは鼻に突くようなキツい異臭が漂っていて、その悪臭が楽詩の住んでいる部屋に移ってしまうのではないかと思える程だ
少女を観察し終えた楽詩は溜め息を吐きながら言った
楽詩「悪いが、チェンジお願いするわ?
他の子にしてくれ…!
臭くて敵わん…!
なんて、無理なんだろうな…?
ハァ~…ッ!」
楽詩が虚しさにうちひしがれていても、少女は楽詩をただただジッと見詰めるばかりだ
これが楽詩と少女の運命の始まりだった━━━━━
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