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貸し出しカウンターに着くと、そこには40代ぐらいのオバサンが受付を担当していた
眼鏡をかけた小太りのオバサンは楽詩を視界に入れるや否や、『またサボりに来たのか、この不良は…』と、暗にそう思っているのが解るくらい冷ややかな目で眺めてきた…
楽詩「チッ…腐れババアが…!
眼くれてンなよな…?」
気分を激しく害した楽詩は小声で文句を垂れながらもそこへ先程の本と貸し出しカードを差し出した
するとオバサンは本のタイトルを見て目を丸くして驚いているようだった
おそらくは、楽詩がクダラナイ漫画でも借りていくのだろうと予想していたのだろうが、それに反して真面目で堅そうな内容の古書を差し出して来たのだから驚くのも無理はないだろう
しかし、オバサンは直ぐ様本の裏側を捲り、そこに挟まれている貸し出し者一覧に楽詩のカードの名前と今日の日付をサラサラと書き込んで、パタンと閉じると楽詩に本を渡してきた
オバサン「この本の貸し出しは、2週間となっております。
それまでに返却してくださいね。
ご利用ありがとうございます。」
3日で返却しなければならない新刊と違って、割りと長めの貸し出し期間をオバサンから伝えられると楽詩は会釈さえせずに無造作に本を手に取り出口へと歩き去った
オバサンの冷ややかな視線を背中に感じはしたが、綺麗サッパリ無視してやった
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