第一章 究極少女、巻き込まれる

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一人で住むには少し大きい位の大きさの家。その玄関のインターフォンを社が鳴らす。 「はいはい~……やっぱり社と姫か。ハーレム共は何処だ?」 出て来たのは、最近の異世界転生系の小説で時折見かけるようになった脇役系主人公的雰囲気を醸し出す男、陰陽寺理王(おんみょうじりお)。 彼こそが私の幼馴染その②である。 小学時代からの付き合いで、社が引き起こした面倒ごとを影ながらに解決する、脇役気質な男。 顔は整っているが前髪で隠しているために目立たず、本人も自身を平凡だと思っている。 彼は何故か私のことを「姫(ひめ)」と呼ぶ。 「おはよう理王!」 「ちっ話し掛けてくんなよ主人公野郎」 「酷い!?」 相変わらず鬱陶しいくらいに元気のいい挨拶をする社に、理王は如何にも面倒くさいと言いたげな表情で舌打ちをする。 社が悲鳴のような声で抗議するのを無視して、理王は怠そうに欠伸をする。 「おはよう理王。いつにも増して怠そうね?」 「ああ、おはよう姫。聞いてくれよ、寝起きから嫌な予感がしてさぁ」 「朝から不吉な事言わないで頂戴」 悪い感だけはよく当たる理王の不吉な言葉を胸に秘め、私達は理王宅を出発した。 それから理王宅を出た私達は、一人で話している社を無視しながら通学路を歩いていた。 と。 「雪姫、理王!!なにこれ!?」 社の必死な声に振り向くと、そこには魔法陣と思しき模様に沈んでいく社が居た。 「あー、それはきっと勇者召喚だなwwとりま逝ってこいwww」 親指を下に向け、これ以上ないくらい清々しい笑顔で言い放つ理王。 しかしここで問題が発生する。 社が理王の足を掴み、それと同時に魔法陣が拡大したのだ。 そして更に眩い光を放つ魔法陣。 とっさに私は、理王の腕を引っ張っていた。 が、しかし。 「あっ……」 そのまま巻き込まれたのであった。
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