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「友達もいないんじゃ、家でも居場所ないんじゃない? 君の話すとこ、あまり見ないし。そんなだったら、学校来なきゃいいのに」
口が勝手に動く。おしゃべりな口だ。いつもより、早く動く。
「どうして、そんな人を悪くいえるんだ!」
「どうしてかな? わかんない!」
あたしは本棚から一冊抜き出して、ぱらぱらと流し読みをして、つまらないので戻した。
「演劇部は丁度真下。早く行けよ。そして今日見たことは忘れてくれ」
「お、ありがと。じゃあね、今度は死ねるようにね!」
あたしは目的をすっかり忘れてしまっていた。
階段を駆け下りて三階へと向かう。
演劇部の札がある教室は閉まっていた。
「開いてないじゃん」
演劇部は今日は違う場所で練習しているのか……。
四階へ戻る。
文芸部室に入ると本に囲まれた彼は膝を抱えて泣いていた。
途端にいたたまれない気持ちになった。なぜだか、知らないがあたしは不安定だ。
気持ちの波が荒い。
ほんと、どうしようもないやつなのだ。
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