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さっきまであんなにも
悲しく揺れていた琉惺の
瞳はもう完全に…
私という獲物を捕らえた雄。
私は琉惺のこの瞳が好きだ。
私をどこまでも狂わせ
容赦なく鳴かせる
この時の琉惺が。
たぶん…秋人よりも
ずっとずっと好きかもしれない。
「奈緒?」
私の名を口にすると
琉惺は自分の手を
私に持たせた。
「自分で導いて」
やっぱり琉惺は意地悪だ。
だけど今は…
この壊れた時間を
共有出来るのは…
琉惺以外にいない。
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