壊れた時間

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「も、だめ──」 全身に走り抜ける感覚に 小さく震えたつま先。 それを見届けた琉惺が ようやく立ち上がり 私を抱きかかえた。 「奈緒、欲しい?」 「うん…」 泣きそうになりながら 頷いた私に琉惺は 軽いキスをすると あの文字の真正面に 私を導き静かに言葉を放つ。 「俺が欲しかったら… 消せよ、それ」 落ちて来た言葉に 思わず目を見開いてしまった。
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