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「すみません…
子供連れで…」
宋さんは希も連れて来いと言った。
休みの日に誰かに預けてなんて、可哀想だからと。
「店の子に借りてきました。」
と、
後部座席にチャイルドシートが取り付けてある。
「ここまでしていただいては…」
申し訳ない。
「一応、道交法ですからね。
それに、
お子さんに何かあったらもう、澪さんに会えなくなる。」
そう言って笑う。
屈託のない笑顔。
40歳とは思えない肌の艶。
やっぱり高級中華食べてるからかしら。
フカヒレとかツバメの巣とか。
私はほとんど食べたことないけど。
「こんにちは」
公園の前で待ち合わせた。
宋さんは希にそう声をかけてくれた。
「おいたん、だあれ?」
全く、口の効き方も教えてないのがバレバレ。
「こんにちはでしょ?」
「いいんですよ。
ヘンにちゃんとしてる方がおかしいでしょ。
この年頃のお子さんが。
おじちゃんはお母さんのお友達。
今日は一緒に美味しいものを食べにいこうね?」
優しく話しかける宋さん。
「おちょもらち?
りゅーくんといっちょ。」
?
「りゅーくんって誰のことかな?」
宋さんが優しく聞く。
「のんたんのおちょもらち!」
もしかして…
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