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「彼がバリケードを張り、猟銃まで構えて見張っているのは、独り占めしたいからではありません。この地域では馴染みがないようですが、あれは非常に強い毒を持った果物なのです」 私の言葉に、村の人々は酷く驚いたようだった。 「異常気象による作物の壊滅。食糧不足で苦しい思いをしている皆さんが、あの実を食べてしまわないように……彼は悪役を演じてまで」 争いや憎しみ。 その全てを根絶するのが、神に選ばれた私の旅の目的だ。 多少の嘘は許されよう。
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